2013年の回顧 「抜粋」
今年は震災後と次世代がキーワードの一年だった。現代舞踊は新人が伸びている
新時代の社会変動の原理を視野にいれながらコンテンポラリーダンスと一線を画す
る作風を考え多様な方向性の若者たちを送りだすことが重要だ。<中略>
折田克子・山田奈々子・森嘉子・藤里照子も話題になった。 <後略>
吉田悠樹彦様 音楽舞踊新聞より
江口乙矢生誕100年記念公演
於 大阪フェスティバルホール
2013年10月20日(日)17時開演
新装なったホールで江口乙矢生誕100年記念公演を行った。集まったのは全国から
現代舞踊協会幹部はじめ、クラシック、モダン、フラメンコ、ジャズ、フラ、邦舞から邦楽
まで幅広い。
<中略> 山田奈々子は強く生きる女性像を、須美子に捧げた。
最後は名作「雪」 降りしきる雪のなか強く生きる乙矢、そして須美子といたわりあう場面は強く感動
を呼ぶ。四時間にわたる舞台は、乙矢の写真の前で全員が須美子を囲みながら終わった。
うらわまこと氏評(オン・ステージ)
(社)現代舞踊協会主催
夏期舞踊大学
8月17日~18日開催されたワークショップに講師を依頼された。
舞踊のキャリアも年齢も違う、述べ100人に近い方々が北から南から参加した。
先達に学び、純粋に身体と心で全員で踊りを創りあげていった2日間は感動的な体験だった。 於 国立オリンピックセンター
「母」を全員が踊る姿や、先生の言葉に導かれてみるみると即興的にその場に世界が立ち現われる瞬間は感動的でした。 R.T.様
「スタジオ発表会」反響
昨日は楽しく舞台を拝見させていただきました。
みなさんの個性が光っていてすばらしかったです。
奈々子先生のソロはさすがの存在感で表現者としての神髄を感じました。
今後もますますのご活躍を期待しております。
N.K.様
先日はとても楽しい時間を過ごさせて頂き、有難うございました。
小さい子達の一生懸命さ、大きな人達の個性あふれる踊り、とても素敵でした。特に自分で作られた作品は、振付や衣裳だけでなく、照明や風になびく布や小道具の透明感にまで気を使っていてとても良かったです。全体に照明の使い方がとても素晴らしいと思いました。
「現在を生きる」では、奈々子さんがのびのびと踊っていらしたのが印象的でした。ファインダーに集中しながらでもストレートに入ってきました。判りやすいなというのが第一印象です。踊りも感情表現の一つ。まさに今現実におこっていることに対し、何をどう感じ・思っておられるのか、表現されている様に見えました。素直に受け止めて現在を生きておられるのですね。 J.O.様
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「山田五郎賞」
第70回全国舞踊コンクール
<創作部門第1位作品特別賞「山田五郎賞」を授与
6月4日
於 如水会館「オリオンルーム」
「語り・歌い・舞う」
於赤坂ノヴェンバー・イレブンス 6月28日
山田奈々子の舞 中村ヨシミツのギター 条田瑞穂の朗読による即興的コラボ
「天草の沙露姫」は、異次元に誘う空間を創り出し、観客を巻き込んで濃密な20分だった
第40回現代舞踊展」-総評ー
生命の輝き強烈な存在感
27作品が上演された13、14日には意欲作が並んだ。ー中略ー
最後の「人生の抒情詩よりー現在を生きるー」では森嘉子、藤里照子 山田奈々子が大ベテランの矜持をしなやかに静かに見せる。
そのたたずまいだけで人生を語るほどの強烈な存在感を放つ三人の舞踊家たち。そこには生命の輝きという踊りがもつ原初的な力があふれていた。
林愛子=舞踊評論家(東京新聞7圧23日夕刊掲載)
藤里照子・森嘉子・山田奈々子 人生の抒情詩より「現在を生きる」 はじめにスペイン舞踊の闘争的美学の花を持つ森、次にユーモア・ペーソス・人間味が滲み出す山田、最後に女性的な引きのエレガンスを発する藤里、人生経験豊富にして、なお前へ歩む先輩方3人の舞踊は琴線に触れて来る。舞踊の支柱は技術のみならず、思想・精神でもあることを証している。 原田広美(音楽舞踊新聞 11月11日号)
Jointo Dance Recitai 「人生の抒情詩」
反響(2月2日・2回公演 於新宿スペース・ゼロ)
「バスを待つ」は素晴らしかったです。打楽器と直線的なダンスから森田童子の哀愁に満ちた懐かしい歌への転調も素晴らしかったです。
何でもない日常の一瞬を彫刻したジョージ・シーガルを思い出しました。
皆さまの踊ると言う瞬間の肉体の芸術の舞台は、その裏での日々の訓練の積み重ねがあのように厳しく深い踊りになっているのだと
思います。 3人の女性のダンスには励まされ希望がわいてきました。
人生の抒情詩にはどんな詩がいいかななどと考えながら拝見していました。 M.W. 様
「バスを待つ」や「人生の抒情詩」などの抽象的な内容を、顔の表情(特に目の表情)と身体の動きだけで表現するのはとても難しい
芸術分野であることがよく分かりました。
「バスを待つ」の人間の動線による直線的な空間の切り方、バスのエンジン音の躍動感あふれる3次元的な使い方など、大変メリハリの
利いた説得力のある御作品と拝見いたしました。
「人生の抒情詩」全体のストーリーから人間の温かさと優しさを強く感じました。そして、その温かさや優しさがユーモアを通して豊かに
表現されていました。すがすがしい気分で帰ってきました。 Y.M. 様
素晴らしかったです。刺激をうけ、私も頑張ろうと思いました。私の生徒が、かぶりつきで見た由、大感激で電話がありました。
抒情詩の最後、一人づつの場面の奈々子さんに五郎先生がだぶりました。受け継がれていますね。胸が熱くなりました。 E.F. 様
昨日は、うれしいステージを拝見しました。踊りの道は、すばらしい。 S.S. 様
「抒情詩」を見させていただき、楽しい気分で帰ってまいりました。パンフレットにあった奈々子さんの言葉、感動しました。
私も「生まれて来て良かった」そう思います。森田童子さんの唄、よかったです。 いつまでも舞い続けてください。 A.O. 様
「人生の抒情詩」どの様に表現するのか楽しみにしていました。なる程しっとりとした優雅な姉妹が感じられました。 J.W. 様
「人生の抒情詩」奥深く、すばらしかったです。特にお三人の共演は、迫るものがありました。 S.S. 様
身体で表現する物語、なかなか素敵でした。優雅な雰囲気も感じられて・・・ M.S. 様
「人生の抒情詩」
皆同じ衣裳なのに、ちょっとした工夫でそれぞれの個性と役柄の違いが出ていました。
ストレートに着ていた藤里さん、素直でおとなしい読書好きな姉、脇をちょっとつまんだ奈々子さんはおてんばで好奇心おおせいな、
花を愛する乙女。裾を上げて赤い裾を見せた森さんは、お洒落で活発なちょっぴり泣き虫の次女。
3人の違いを見るだけでも楽しい舞台でした。花畑と牧草地に囲まれた、都会の喧騒から離れた住まい。森さんは洋行帰り。
ちょっとしたいたずら心から諍いになってしまう、親しいからこその成行。でも、姉妹だからこそすぐ打ち解ける優しさ。
昭和の写真で3人仲良く育った子供時代を思い出す。そして夫々の人生を表すライン上のソロ。現実の3人を見ているようでした。
ショールをまとったラスト、最後に見つめる先に何があるのか。
「バスを待つ」
人混みの中をさまよい歩く女は、何を探しているのでしょう。黒い背景が生きていました。
バスは同じ時間に来て、同じ道を行ってしまう。でも行き着く先は別。それを待つ女は、変わってしまっている。
「凍て蝶」
白い布の舞台効果、すばらしかった。雪の舞い散る雪原の中最後の力を振り絞って生きようとする蝶。寄せ集めた布を放す時、
スノーモンスターがゆっくり解けるように崩れていきました。彼方を見ながら雪に埋もれて消えていくラスト感動しました。
「ここはなんと素晴らしい場所」
スモークと光の演出が素敵でした。床に写った模様が「素晴らしい場所」を描いているのが見てとれました。理想の場所を求めて、
走り回り、見つけたそこに飽き足らずまた探し求める。山の彼方に・・・ J.O. 様
「バスを待つ」を観せていただき感動でした。しっとりとした音楽と美しい舞踊、心に残りました。茶のロングコートは過去から吹く思い出の風のイメージでした。
「人生の抒情詩」拝見して御三人のキリッとした表情がステキでした。映像が良き昭和の暮らしなつかしく存じました。実家の庭に亡き祖母や母が好きだったフキノトウが丸いツボミで春がくるのを待っています。過ぎた日を思い出します。 Y.Y.様
たいへんお若くて、美しくて、昔とちっともお変わりないので、あっけにとられていました。
不思議な夜でした。 R.S.様
三者三様のダンスが展開
ベテラン舞踊家の藤里照子、山田奈々子、森嘉子の仲良し三人組が、「人生の抒情詩」というジョインダンストリサイタルを行った。まずそれぞれがじぶんの踊りを見せる。<中略>
山田奈々子の「バスを待つ」は堀登とのデュエット。根尾櫻子、石丸麻子、清水依子、滝野原南生、渡部里菜の五人が街の何気ない風景を作る。山田だけが現実を遊離した存在だ。堀とのダンスはすれ違いの場面が多く、男女の愛の描写には程遠い。他の五人とも次元を異にした感覚の間合いを保ち、幻想世界に遊んだ。
三人の創作・出演による「人生の抒情詩」は、女たちの居間の日常のスケッチだった。凝ったデザインの衣裳をまとった三人が、それぞれに個性そのままのダンスで、やんわりと自己主張を闘わせる舞台は大人の世界。
どうしても外向的なところを見せてしまう森嘉子、内省的だがけっして自分を失うことのない藤里照子、どこまでも自分の世界に入り込んで行く山田奈々子という、三者三様のダンスは、いずれも全開状態。それぞれが自分のパートを好き勝手に踊り、少しだけ他との関係に配慮して「人生の抒情詩」を危ういところで成り立たせた。好きなように自分を表現したベテランたちの公演は、見た者に高齢社会を生きのびるヒントを与えたのでは・・・。
山野博大氏評 オン・ステージ
人生の来し方や行く末を思い、今を生きる力に
山田奈々子、森嘉子、藤里照子の古豪3人の共同作品「人生の抒情詩」は、「老いて なお可憐な姉妹の、楽しくてちょっと切ない人生の午後の詩」
という触れ込みだったが、どうしてどうして「現代(いま)を凛として生きる」という、はた目にも凛々しい生涯現役宣言だった。
「午後の詩」について詩は解すべからず、味わうべし、というから我流な説明で勘弁を。
すでに引退したらしい同じ衣装の姉妹2人が、読書など退屈を紛らしているところへ派手な衣装の妹(森)が戻ってきて、都会の風を持ち込む。
刺激され、過ぎた若き日を思い出して心に葛藤が・・・。
それもいっとき、妹は姉たちと同じ衣装に代え、3人、心を一にし横一列になって、昂然と上を向き客席をにらむように前進して幕。
途中、古い柱時計が時を打つ場面。四つ鳴った。英語では「タイム・イズ・もう無へ」 と言うはず。でも午後四時なら、まだ日暮れには間があるよ。<中略>
御三方は「雀百まで踊り忘れず」前向きだ。羨望はしないが、敬服はする。<中略> 老老相憐れむ気で来たが、今日は少し力をもらったかな。
木村英二氏評 音楽新聞 (長文なので中略とさせて頂きました)
とても心に残るすばらしいリサイタルでした。シンプルな衣装にシンプルな演出・・・何もないステージの空間・・・それが、山田先生がステージに立ち,踊られると、演じられる先生の周辺に景色や情景が見えてくるのです。そして心情までも伝ってくるのです。先生のバレエは,こんなふうに人に伝える事ができるなんてすばらしい!!涙が出てきました。どれだけの積み重ねがこのようなすばらしい表現となるのかを考えたら、再び感動します。
第二部は「人生の抒情詩」というタイトルで時代にほんろうされながらも今日まで真っすぐ生きてきた姉妹の姿が演じられていました。山田先生を始め、お二人の先生のソロでの演技は迫力がありました。凛として生きる・・・感動し、勇気が出てきました。
今の時代、物だけでなく情報もあふれすぎています。自分に必要なモノか、そうでないのか、真実かウソかも分からなくなりそうな世の中です。しかし、今回のお三方の先生のリサイタルを通して「どんな時代になっても、真の強さ、真の美しさは変わらない」のだと思いました。私自身時代のせいにして嘆いたり、逃げたりしていたと思います。これからは時代のせいにはせず、真っすぐ前を見ていたいと思いました。 高崎・H 様
3人の大先輩のお姉さま方の公演を見ました
ダンスってやっぱり素晴らしい。年を重ねた3人姉妹。 椅子に座っているだけで、人生の深さが見えてくる。もうジンとしてくる。
ちょっとした仕草だけでも十分な説得力だ。
ストーリーが進み後半それぞれのソロシーンに移る。ここで同じダンサーとして思わぬ発見!いままでの雰囲気と違い、踊りだすとなんと3人とも若くなってしまう。
キレ良く、それぞれの振りをタップリと踊る。 やっぱりダンサーって若い!芝居的な部分とダンスシーンとのバランスが作品をさらに深くしている。 乾杯!
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